
通貨ペアは、FX取引の基本となる考え方であり、利益を出すためにはその仕組みをしっかり理解する必要があります。
この記事では、「通貨ペアとは何か?」という基礎から、通貨ペアの種類、特徴、初心者が選ぶべき通貨ペアまでをわかりやすく解説します。
通貨ペアとは
通貨ペアとは、外国為替市場(FX)において2つの異なる通貨を組み合わせ、取引に使用されるものです。これは、一方の通貨をもう一方の通貨に対して売買する際に用いられます。たとえば、「USD/JPY」という通貨ペアは、米ドル(USD)と日本円(JPY)を表し、1ドルが何円で取引されているかを示しています。
通貨ペアは、「基軸通貨(ベースカレンシー)」と「決済通貨(クォート通貨)」の2つで構成されます。上記の例では、米ドル(USD)が基軸通貨で、日本円(JPY)が決済通貨です。つまり、通貨ペアの価格は、1単位の基軸通貨を購入するために必要な決済通貨の量を示します。
基軸通貨と決済通貨とは
外国為替取引において、「基軸通貨(ベース通貨)」と「決済通貨(クォート通貨)」は、通貨ペアを構成する2つの通貨を指します。
それぞれの役割を理解することは、FX取引の基本を押さえるうえで非常に重要です。

基軸通貨(ベース通貨)
基軸通貨とは、世界中の貿易や金融で広く使われている、中心的な通貨のことを指します。現在では、米ドル(USD)がその代表格であり、多くの国が取引や外貨準備にドルを使用しています。
外国為替取引においては、基軸通貨は通貨ペアの中で最初に書かれる通貨であり、取引の基準となる役割を持ちます。
たとえば、米ドル/日本円 (USD/JPY)という通貨ペアでは、「米ドル(USD)」が基軸通貨にあたります。
決済通貨(クォート通貨)
決済通貨とは、通貨ペアにおいて後ろに書かれ、基軸通貨の価格を示すために用いられる通貨です。
たとえば、米ドル/日本円 (USD/JPY)という通貨ペアでは、「日本円(JPY)」が決済通貨にあたります。
通貨ペアの種類
メジャー通貨
メジャー通貨とは、世界中で最も取引量が多く、流動性が高い主要な通貨を指します。そのため、外国為替市場(FX市場)においては、信頼性が高く、安定した価値を持つことから、多くのトレーダーや投資家に利用されています。
代表的なメジャー通貨は以下の通りです:

これらの通貨は、国際的に信用があり、政治や経済が比較的安定している国で使われている通貨です。また、メジャー通貨は市場の動きに大きな影響を与えるため、経済指標や金利政策などのニュースに敏感であり、そのため、FX初心者にも人気があります。
マイナー通貨
マイナー通貨とは、世界の外国為替市場において、取引量が少なく、流動性が中程度の通貨を指します。一般的に、メジャー通貨(米ドル、ユーロ、円など)やそれらの通貨ペアに比べて取引量が少ないため、「マイナー(小規模)」と呼ばれています。
主なマイナー通貨には次のようなものがあります:

これらの通貨は、経済が発展途上であったり、政治が不安定な国に属していることが多く、値動きが大きくなりやすいです。そのため、リスクも高い反面、高金利であることが多く、スワップポイントを狙う投資家に注目される傾向もあります。また、マイナー通貨は通常、メジャー通貨と組み合わせて取引されます。
エキゾチック通貨ペア
エキゾチック通貨ペアとは、メジャー通貨(米ドル、ユーロ、円など)と、新興国や発展途上国の通貨を組み合わせたものを指します。そのため、取引量が少なく流動性も低く、スプレッドが広くなりやすいほか、価格変動(ボラティリティ)が非常に大きいのが特徴です。
エキゾチック通貨としてよく知られている通貨には、以下のようなものがあります:
最も人気のある「エキゾチック」通貨ペア :

- USD/TRY(米ドル/トルコリラ)
- EUR/THB(ユーロ/タイバーツ)
- USD/ZAR(米ドル/南アフリカランド)
ストレート通貨ペアとクロス通貨ペアの違いとは?
ストレート通貨ペアとクロス通貨ペアの違いは、米ドルの関与にあります。
ストレート通貨ペアとは、米ドル(USD)を含む通貨ペアのことで、たとえば「米ドル/日本円(USD/JPY)」や「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」などが該当します。これらは世界中で取引量が多く、スプレッドが狭くなる傾向があります。
一方で、クロス通貨ペアは、米ドルを含まない通貨ペアを指し、「ユーロ/日本円(EUR/JPY)」や「英ポンド/スイスフラン(GBP/CHF)」などが挙げられます。こうしたペアは、実際の取引では、米ドルを介して価格が算出されることが多く、そのためスプレッドが広がる場合もあります。
ストレート通貨ペア:米ドルが含まれる
クロス通貨ペア:米ドルを含まない
FX初心者向けの通貨ペアの選び方
FXを始めたばかりの方にとって、「どの通貨ペアを選べばよいのか」は、とても重要なポイントです。
通貨ペアにはそれぞれ異なる特徴があり、選び方によってリスクや利益の出やすさが大きく変わってきます。
以下のポイントを参考にして、自分のスタイルに合った通貨ペアを見つけましょう。
1. 取引量が多い「メジャー通貨ペア」がおすすめ
初心者の方には、取引量が多く、情報も豊富に得られる通貨ペアを選ぶことで、より安心して取引が始められます。特に、メジャー通貨ペアは人気が高く、スプレッド(売値と買値の差)が狭いため、取引コストを抑えやすいというメリットがあります。
2. 値動きが安定している通貨を選ぶ
初心者には、急激な値動きが少なく、比較的安定している通貨ペアがおすすめです。たとえば「米ドル/円(USD/JPY)」は値動きが緩やかで、相場の予測もしやすいため、初めての取引でも安心して取り組めます。
3. 経済ニュースがチェックしやすい通貨を選ぶ
通貨の価格は、経済指標や政治的なニュースに大きく左右されます。そのため、自分がニュースや経済情報を把握しやすい国の通貨(例:日本円や米ドル)を選ぶと、相場の動きも理解しやすくなり、判断がしやすくなります。
まとめ
通貨ペアとは、FX取引において2つの異なる通貨を組み合わせたものです。通貨ペアは、「基軸通貨(ベース通貨)」と「決済通貨(クォート通貨)」で構成され、それぞれの役割や意味を正しく理解することが、FXを始めるうえでの第一歩となります。
通貨ペアには、取引量や流動性によって「メジャー」「マイナー」「エキゾチック」といった種類があり、通貨の特徴やリスク・リターンも異なります。また、「ストレート通貨ペア」と「クロス通貨ペア」では、米ドルの関与が判断基準になります。
通貨ペアの仕組みや種類をしっかり理解し、自分の投資スタイルや知識レベルに合ったペアを選ぶことで、リスクを抑えながら、より効率的な取引につなげることができます。
よくある質問
回答: 通貨ペアは、FXで取引される2つの異なる通貨の組み合わせです。たとえば「USD/JPY」は、米ドルと日本円のペアです。
2. 基軸通貨と決済通貨の違いは何ですか?
回答: 基軸通貨(ベース通貨)はペアの最初に書かれる通貨で、決済通貨(クォート通貨)はその価値を示すための通貨です。たとえば「USD/JPY」では、USDが基軸通貨、JPYが決済通貨です。
3. ストレート通貨ペアとクロス通貨ペアの違いは?
回答: ストレート通貨ペアは米ドル(USD)を含むペア、たとえば「USD/JPY」のように、米ドルを含むペアです。クロス通貨ペアは米ドルを含まないペア(例:EUR/JPY)で、内部的にUSDを経由して価格が計算されます。