
近年、現金を銀行に預けずに自宅で保管する「タンス預金」が注目されています。手元にお金を置くことで安心感を得られる一方で、リスクや税金の問題も伴います。この記事では、タンス預金の基本的な意味を解説します。さらに、そのメリット・デメリットや発覚するリスクも紹介します。加えて、相続税との関係など、知っておきたいポイントをわかりやすく説明します。
タンス預金とは
銀行などの金融機関に預けず、自宅で現金を保管することを「タンス預金」と呼びます。タンスの中や引き出し、金庫などに現金をしまっておくことがあります。そのため、このように呼ばれるようになりました。近年では、特に高齢者の間で、銀行に対する不信感や低金利の影響から、タンス預金を選ぶ人が増えています。
タンス預金のメリットとデメリット
タンス預金とは、銀行などの金融機関を利用せず、自宅で現金を保管する方法を指します。一見シンプルで自由に思えるこの方法には、メリットとデメリットの両方が存在します。
メリット
- すぐに使える自由度
銀行に行かずに、必要なときにすぐ現金を使えるという利便性があります。
- 災害時・非常時に強い
停電やATMが使用できない状況でも、現金が手元にあることで安心感を得られます。
- 口座凍結のリスクを回避
万が一、トラブルにより銀行口座が凍結された場合でも、タンス預金であれば引き続き現金を使用できます。
- 管理が自己完結
自分の判断で自由に出し入れできるため、資金管理がシンプルに完結します。
デメリット
- 盗難・火災の危険
タンス預金は現金なので、盗まれたり火事で燃えたりすると、そのお金は戻ってきません。また、多くの場合、保険ではカバーされないため、全額失ってしまう可能性もあります。
- 利息がつかない
銀行預金とは異なり、タンス預金には利息が一切つかないため、資産が増えることはありません。
- 相続トラブルの原因に
家族がその存在を知らない場合、相続時に財産分与でトラブルとなったり、隠し財産と見なされてしまう可能性があります。
- 税務調査で発覚のリスク
収入と支出のバランスに不自然な点がある場合、タンス預金の存在が税務署に疑われる可能性があります。
| 【おすすめポイント】 万が一に備えて、タンス預金の金額や保管場所を信頼できる家族に伝え、定期的に記録を残しておくことをおすすめします。災害や相続の場面でもスムーズな対応が可能になります。 |
タンス預金はなぜバレる?
銀行を通さずに自宅で現金を保管する方法として知られていますが、「バレない」とは限りません。実は、さまざまな場面でタンス預金が明るみに出ることがあります。
一つは、税務調査です。収入と生活レベルが合っていない場合、税務署が不審に思い、調査対象になることがあります。
さらに、高額な買い物や振込を現金で行った場合も、不自然な取引として疑われることがあります。金融機関や不動産会社などが、マネーロンダリング防止の観点から通報するケースもあります。
この方法は「見つかりにくい」と思われがちですが、実際には様々な要因で発覚するリスクがあるため、慎重な管理と判断が求められます。
タンス預金の相続税対策で見落としがちなポイント
タンス預金とは、自宅で保管されている現金を指しますが、相続の際には課税対象となる点には注意が必要です。「銀行に預けていないからバレない」と思いがちですが、実際にはそう簡単ではありません。
故人の死後、遺品整理や通帳の記録、現金の使途などを調べます。その過程で、税務署がタンス預金の存在を把握するケースがあります。特に、遺産総額に対して現金の動きが不自然な場合があります。このよう場合には、税務調査が実施される可能性が高まります。相続税の対象となるため、申告が必要です。
申告しない場合は、過少申告加算税や重加算税の対象になる恐れがあります。相続人にとって思わぬ負担になることもあります。そのため、内容を正しく把握することが大切です。国税庁の公式サイトで詳細なルールを確認し、適切に申告しましょう。
| 【免責事項】 この記事の内容は一般的な情報提供を目的として、個別の税務・法律相談には該当しません。ご自身の状況に応じて、税理士や専門家への相談をおすすめします。 |
まとめ
タンス預金とは、自宅で現金を保管する方法です。特に高齢者を中心に利用されるケースが増えています。すぐに使える利便性や災害時の安心感などのメリットがあります。一方で、盗難や火災、管理ミスといったリスクも伴います。さらに、この方法は「バレにくい」と思われがちです。しかし、実際には税務調査や相続時、大きな現金取引などを通じて発覚することがあります。相続の際には課税対象となる場合があります。そのため、適切に申告を行わないと、加算税や重加算税などのリスクが生じる可能性があります。
よくある質問
回答: いいえ、タンス預金は税務調査や相続時、高額な現金取引などを通じて発覚する可能性があります。
回答: はい、タンス預金も相続財産として相続税の課税対象になります。申告を怠ると、加算税や重加算税のリスクが生じる可能性があります。
回答: タンス預金は現金の保管に関する安全対策を講じるとともに、相続時に正しく申告できるよう、保管状況や金額の記録を日頃から残しておくことが重要です。