
金(ゴールド)は昔から「安全資産」として世界中で価値を認められてきました。金ETFは証券取引所で取引されるため、金を直接持たずに価格の変動を活用できる便利な投資手段です。この記事では、金ETFの基本やメリット、注意点などをわかりやすく解説していきます。
金ETFとは
金(ゴールド)ETFの投資は金市場の値動きを活用した投資商品で、実際の金を買わなくても、証券口座を通じて金に投資できるという仕組みです。また、金投資や純金積立と同様に、「安全資産」として注目されることが多く、経済の不安定な時期にはリスク分散の手段として選ばれることもあります。
金ETFのメリット・注意点
金ETFは金に投資したいと考えている方にとって、手軽で魅力的な選択肢です。しかし、投資である以上、メリットだけでなくリスクもあります。ここでは、金ETFの主なメリットと注意点を解説します。
金ETFのメリット
■ 少額から投資できる
現物の金を買おうとすれば、例えば1グラムの金でも数千円、1オンス(約31.1グラム)になると10万円を超えることがあります。しかし、金ETFの場合、数千円〜数万円ほどの金額から、証券口座を通じて簡単に投資を始められます。
■ 現物の管理が不要
金ETFでは物理的な保管場所がいりません。現物の金を保有する代わりに、ファンドで証券会社の口座上で電子的に管理されます。多くの場合、高度なセキュリティシステムが備えられ、定期的なチェックも行われているため、安心して金に投資することができます。
■ 市場の流動性が高い
金ETFは証券取引所に上場されるため、株式と同様にリアルタイムで売買が可能であり、市場の流動性が高く、金をすぐに現金化したいときにも便利です。
金ETFの注意点
■ 手数料や管理費用がかかる
金ETFには管理費用や信託報酬、売買手数料などが発生します。管理費用は年率で0.5〜2%以上になる場合もあり、長期保有ではコストが利益を圧迫する可能性があります。また、売買手数料は証券会社によって異なるため、取引方法の選択にも注意が必要です。
■ 価格の変動リスク
金ETFには価格変動リスクがあり、金相場は経済情勢やドルの動向によって大きく上下することがあります。また、米ドル建てのETFの場合は、為替リスクによって円ベースの価値が変動し、損失につながることもあります。
■ 配当がない
金ETFは基本的に配当や分配金が出ないため、保有していても配当収入を得ることはできません。株式のように利益還元がない点は、長期投資でのリターンの少なさとして注意が必要です。
このように金ETFにはメリットもリスクもあるため、投資の目的や戦略に応じて検討することが重要です。
【おすすめポイント】
金ETFは少額で取引でき保管も不要ですが、価格変動・為替・手数料の影響を受けます。実質利回りを把握し、長期か短期かを見極めましょう。
金ETFの買い方
■ 証券口座を開設する
金ETFは証券取引所で取引されるため、購入には証券会社の口座が必要です。大手証券会社やネット証券を通じて、簡単に口座開設が可能です。また、口座が開設できたら、購入に使うお金を入金しましょう。銀行振込や即時入金サービスを利用できます。
■ 金ETFの銘柄を選ぶ
金ETFを購入するには、複数ある銘柄の中から自分に合ったものを選ぶことが大切です。運用会社や経費率(信託報酬)、 流動性、為替リスク(外国ETFの場合)などのポイントを確認しましょう。
■ 注文を出す
気になる金ETFを選んだら、証券会社の取引プラットフォームで金ETFの注文を出します。「成行注文」または「指値注文」のどちらかを選び、数量を入力して注文を出します。初心者には、すぐに約定される「成行注文」がおすすめです。
■ 保有状況を確認・管理
金ETFを購入したら、証券会社のアプリやサイトで保有状況を随時確認できます。しかし、市場価格や金相場の変動を確認し、長期保有するか短期売買するかは投資スタイルに応じて判断しましょう。また、売却時には譲渡益課税にも注意が必要です。
投資家は金を物理的に保管することなく、簡単に金に投資できるようになります。購入と管理の方法を理解すると、投資の効率化に役立ちます。
金ETFの税金
金ETFは金の価格に連動して運用される便利な金融商品ですが、利益が出た場合には課税対象になります。「株式等」として扱われるため、譲渡益(売却益)が出た場合には20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の申告分離課税が課されます。
しかし、金ETFの損益は、他の株式投資などと「損益通算」が可能です。例えば、株で10万円の利益、金ETFで5万円の損失があれば、差し引き5万円に対して課税されます。また、年間で損失が出た場合には「3年間の繰越控除」も可能で、確定申告が必要です。さらに、金ETFをNISA口座で購入した場合、年間の投資上限内であれば、利益が非課税になります。
なお、金ETFの税金の詳細については国税庁の公式サイトをご確認ください。
【免責事項】
この記事は金ETFに関する一般的な情報提供を目的として、特定の銘柄の売買や投資判断を推奨するものではありません。投資には価格変動などのリスクが伴い、元本を損失する可能性があります。最終的な投資判断は、自分の責任で行ってください。
まとめ
金ETFは、証券口座を通じて金に投資できる商品で、少額から始められること、現物の管理が不要であること、そして流動性が高いのがメリットです。しかし、手数料や管理費用、価格変動リスク、配当がないことなどにも注意が必要です。
金ETFを購入するには、証券口座を開設します。また、運用会社や経費率(信託報酬)、 流動性、為替リスク(外国ETFの場合)などを確認し、複数がある銘柄の中から自分に合ったものを選ぶことが大切です。
金ETFを売却の際には、20.315%の譲渡益課税がかかりますが、損益通算や3年間の損失繰越が可能です。NISA口座を使えば、一定額までは非課税のメリットもあります。
よくある質問
回答: 現物の金と金ETFの違いは保管が不要で、少額からでも投資が始められるのが大きな特徴です。
回答: 一部の金ETFは条件付きで現物交換することが可能です。証券会社経由で手続きし、金地金は宅配便や郵送で送付します。ただし、現物交換不可のETFもあるため、投資前に要確認です。
回答: 金ETFの場合は、利益に対して20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座での取引であれば、一定額まで非課税となります。
回答: いいえ。損失の場合は税金はかかりません。さらに、他の利益と相殺も可能です。