
FXを始めると「ずっと画面を見ている時間がない」という悩みがよくあります。そのような時に役立つのが「IFO注文」です。この注文方法を使えば、あらかじめ決めた「買う価格」と「売る価格」を一度設定するだけで、その後の注文の発注から決済までをシステムが自動で代行してくれます。 チャートを見続けなくても、自分のルール通りの取引を完結させることが可能です。この記事では、IFO注文の基本、メリットとデメリット、やり方までをわかりやすく説明します。
IFO注文とは
IFO注文(アイエフオー注文)とは、FX取引における「新規注文」と「利益確定」と「損切り」をセットで出すFXの注文方法の一つです。IFOは「If Done Order」の略で、IFD注文とOCO注文の仕組みを組み合わせた形です。
新規で買い注文または売り注文を出します。その注文が約定すると、あらかじめ設定した2つの決済注文が自動で有効になります。1つは利益を確定する指値注文、もう1つは損失を抑える逆指値注文です。どちらか一方が成立すると、もう一方は自動で取り消されます。
IFO注文の仕組み
IFO注文は、図解の通り「IFD注文」と「OCO注文」のメリットを合わせた仕組みです。以下の3つの注文を一度に発注することで、エントリーから決済までが自動で完結します。

- 新規注文(エントリー):IFD注文の役割
「いくらになったらいくらになったら新規注文を出すか」を設定します。例えば、画像のように、現在値から予測した目標価格に到達した時点で自動的に新規注文が実行されます。この新規注文が約定して初めて、次の決済注文が有効になります。
- 利益確定の決済:OCO注文の役割(1)
取引が約定した後、価格が予想通りに上昇(または下降)した場合に利益を確定させる設定です。例えば、画像にある通り、価格が予想通りに上がった場合に利益を確定させるため、最初の新規注文(エントリー)よりも高い位置に利益確定の注文を出します。
- 損切りの決済:OCO注文の役割(2)
予想に反して価格が動いた場合、損失を最小限に抑えるための設定です。例えば、画像にある通り、価格が予想に反して動いた場合に損失を限定するため、最初の新規注文よりも低い位置に損切りの注文を出します。
具体的な例として、1ドル150円のときに「152円になったら買う(新規注文)」と設定します。同時に「154円になったら売る(利益確定)」と「148円になったら売る(損切り)」の2つを決済注文としてセットします。152円で約定した後は、価格が154円か148円のどちらかに到達した時点で取引が自動的に終了し、もう一方の注文はキャンセルされます。
IFO注文のメリット・デメリット
IFO注文は便利な注文方法ですが、すべての場面で万能というわけではありません。あらかじめ利益確定と損切りを設定できるため、リスク管理がしやすいという特徴があります。一方で、設定を誤ると想定と異なる結果になる場合もあります。ここでは、IFO注文のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。これは価格が上がると予想して「上昇トレンド」に乗る場合です。
IFO注文のメリット
① すべての注文を一括設定できる
新規注文から利益確定、損切りまでを一度に設定できます。通常は別々に入力するため、設定ミスを防ぎやすく、取引の流れを最初から最後まで計画できます。
② 相場を見続ける必要がない
IFO注文は自動で決済まで進みます。価格が設定した水準に到達すると、利益確定または損切りが自動で実行されます。仕事中や就寝中でも対応できるため、常にチャートを確認する必要がありません。
③ リスク管理を事前に決められる
損切りをあらかじめ設定できるため、大きな損失を防ぎやすくなります。取引前に最大損失を決めておくことで、資金管理がしやすくなります。初心者でもルールを守りやすい方法です。
④ 感情に左右されにくい
価格が急に動くと、迷いや焦りが出やすいです。しかしIFO注文では、事前に決めた条件で自動決済します。そのため、感情に流されず、計画的な取引を実行できます。
IFO注文のデメリット
① 新規注文が約定しないと決済は動かない
IFO注文では、最初の注文(新規注文)が約定しなければ、あとに続く決済注文は有効になりません。
② 急変動で想定外の価格になる可能性
相場が急激に変動した場合、指定した価格と実際の約定価格との間に差が生まれることがあります。これをスリッページと呼び、特に重要な経済指標の発表時などは、設定した価格よりも不利な条件で取引が成立する可能性があるため注意が必要です。
③ 設定ミスで戦略が崩れる
利益確定や損切りの位置を誤ると、思った通りの取引になりません。たとえば、利確が遠すぎると成立しませんし、損切りが狭すぎるとすぐに決済します。設定のバランスが重要です。
④ 設定項目が多く操作が少し複雑
IFO注文は3つの価格を決める必要があるため、条件設定が多いです。初めて使う方には少し難しく感じることがあります。まずは少額で操作に慣れるのが良いでしょう。
⑤ 利用できるツールや証券会社が限られる
IFO注文は、すべてのFX会社や取引ツールで提供されているわけではありません。 利用するシステムや環境によっては、この注文機能に対応していないケースがあるため、あらかじめ自分が使っているツールで利用が可能か確認しておくことが重要です。
IFO注文のやり方
IFO注文は便利な注文方法ですが、正しい手順で設定することが大切です。新規注文だけでなく、利益確定と損切りも同時に決めます。そのため、あらかじめ計画を立てる必要があります。大切なのは、注文を出す前に「いくらで利益を出し、いくらで損を切るか」をしっかり決めておくことです。ここでは、IFO注文の基本的な流れを説明します。
① 通貨ペアを選ぶ
IFO注文を始める前に、まず取引する通貨ペアを選びます。初心者は、値動きが比較的安定している通貨ペアを選ぶと判断しやすくなります。値動きの大きさも確認してから決めます。
② 新規注文の価格を設定する
次に、売買を開始する価格(エントリー価格)を決めます。今の価格で今すぐ買いたい場合は「成行」、指定した価格まで待つ場合は「指値」を選んで入力します。
③ 利益確定・損切りの価格を決める
新規注文のあとに、利益確定・損切りの価格を設定します。予想通りに動いたとき、いくらで利益を確定させるかを決めます。また、予想が外れたとき、いくらで損切りするかを決めます。現実的な利益目標を設定し、予期せぬ大きな損失を防ぐために必ず損切り価格も決定します。
④ 有効期限を確認して決定する
その注文をいつまで有効にするか選びます。「当日中」や、注文が成立するまでずっと有効な「GTC(キャンセルするまで)」などがあります。最後に内容を確認して、注文ボタンを押せば完了です。
⑤ 内容を確認して注文する
最後に、注文内容を確認します。買いか売りか、価格や数量に間違いがないかを見ます。問題がなければ注文します。新規注文が成立すると、利益確定と損切りが自動で有効になります。どちらかが成立すると、もう一方は自動で取り消します。
【おすすめポイント】
注文価格を設定するときは、チャートの確認が重要です。チャート分析には、世界中で利用されている分析ツールの一つであるTradingViewを使う方法もあります。価格の流れを視覚的に確認できます。
IFO注文のコツ
IFO注文は便利な方法ですが、設定の仕方によって結果が大きく変わります。正しく使うためには、大切なポイントがあります。ここでは、初心者でも実践しやすい基本的なコツを説明します。
① 相場の流れを確認する
発注する前に、相場の流れを確認します。価格が上昇しているか、下降しているかを見ます。流れに合わせた取引は利益を得やすい傾向があります。流れに逆らう注文はリスクが高くなります。
② 利益と損失のバランスを意識する
IFO注文では、「狙う利益」と「許容する損失」の幅をあらかじめ決めます。例えば、利益目標を20pips、損切りを10pipsに設定すると、比率は2対1になります。このように数字で整理すると、取引条件を客観的に考えやすくなります。
③ 無理な設定をしない
IFO注文を利用する際は、現在の相場とかけ離れた無理な価格設定を避けることが重要です。損切りの幅が狭すぎるとすぐに決済する場合があり、広すぎると損失が大きくなります。また、現在の価格から離れすぎた水準や、高すぎる利益目標を設定すると、注文が成立しにくくなります。
【おすすめポイント】
IFO注文は便利な注文方法ですが、価格の設定は重要なポイントです。感覚だけで決めるのではなく、根拠を持って水準を設定することが大切です。無理のない範囲で条件を決めることで、取引の流れを整理しやすくなります。
まとめ
IFO注文は、FX取引で使われる注文方法の一つで、「新規注文」「利益確定」「損切り」をあらかじめセットで設定できる仕組みです。新規注文が約定すると、2つの決済注文が自動で有効になり、どちらか一方が約定するともう一方は取り消されます。
メリットとしては、利益確定と損切りを同時に設定できるため、リスク管理をしやすく、感情に左右されにくい取引につながります。一方で、新規注文が約定しないと決済注文は有効にならないことや、急な相場変動によって想定外の価格で約定する可能性がある点には注意が必要です。
利用する際は、通貨ペアやエントリー価格を決めたうえで、利益確定と損切りの水準を設定します。現在の相場とかけ離れた無理な価格設定は避け、相場の流れや値動きの大きさを確認しながら、現実的な範囲で条件を整えることが大切です。さらに、ご自身が使っているツールがIFO注文に対応しているかを確認し、少額から操作に慣れていくことをおすすめします。
【免責事項】
この記事は、FXにおけるIFO注文の仕組みや特徴を解説することを目的とした情報提供です。FX取引には損失が生じる可能性があります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
よくある質問
回答:はい。IFO注文は最初の注文が約定する前なら、いつでもキャンセルや変更が可能です。
回答: 新規注文が約定しなければ、あとに続く2つの決済注文(利益確定・損切り)は有効になりません。IFO注文は、最初の新規注文が約定して初めて決済注文が発動する仕組みだからです。そのため、価格が指定した水準に届かなければ、取引自体が開始されません。
回答:はい、どちらでも利用可能です。今すぐ注文したい場合は「成行」、価格を指定して待ちたい場合は「指値」を選んで設定できます。相場の状況やご自身の戦略に合わせて使い分けてください。