
会社員になると毎月の給料からさまざまなお金が差し引かれます。その正体が「給料から引かれる税金」です。主に所得税、住民税、そして社会保険料が含まれ、これらが額面と手取りの差を生んでいます。この記事では、給料から引かれる税金の内訳について、初心者にもわかりやすく解説します。
給料から引かれる税金
給料から引かれる税金とは、働いて得た収入から差し引かれる各種の税金を指します。私たちが毎月もらう給料は、そのまま全額を受け取れるわけではありません。実際には、所得税、住民税、社会保険料などが引かれた「手取り額」が口座に振り込まれます。
この中でも、所得税と住民税が「給料から引かれる税金」と呼ばれる代表的なものです。所得税は国に支払う税金で、給料の額に応じて段階的に課税されます。一方、住民税は都道府県や市区町村に納めるもので、前年の所得をもとに金額が決まります。
給料から引かれる税金を正しく理解することは、将来の家計管理や貯金計画を立てる上でとても重要です。「給料が思ったより少ない」と感じたとき、その理由の多くは税金や保険料の存在にあります。毎月の明細を確認し、どんな税金がどれだけ引かれているかを把握することで、自分の働き方や収入についてより深く考えることができるでしょう。
額面と手取りの違い
給料明細に登場する「額面」と「手取り」は同じようでいて、実はまったく違う意味を持っています。
会社から提示される給料(額面)は、働いた対価としての総支給額です。しかし、実際に自分の口座に振り込まれる金額(手取り)は、それよりも少なくなります。以下のようにわかりやすく解説していきます。
額面とは
額面とは、給与明細に記載される総支給額のことです。毎月支払われる「基本給」を中心に、残業手当、通勤手当、賞与(ボーナス)などが含まれることもあります。
| 額面=基本給+各種手当 |
手取りとは
手取りとは、給料から税金や社会保険料などを差し引いた後に実際に受け取る金額のことです。この差額を生んでいるのが、給料から引かれる税金や社会保険料です。主に「所得税」「住民税」、そして「健康保険料」などがあります。これらはあらかじめ給料から自動的に天引きされます。
例えば、額面が30万円でも、手取りは25万円前後になることもあります。だからこそ、「手取り」が実際に使える金額であり、家計を考えるうえでとても重要なポイントになります。
| 手取り=額面(基本給+諸手当)-控除(税金や社会保険料など) |
| 【おすすめポイント】 給料は生活の基盤であり、税金や社会保障と深く関わっています。自分の給料の仕組みを理解することで、お金の管理がしやすくなり、将来への備えもより確実になります。 |
給料から引かれるお金とは
この差し引かれるお金の多くが、給料から引かれる税金と呼ばれるものです。主に「所得税」「住民税」、そして「社会保険料」などが含まれます。これらはすべて法律で定められていて、私たちの生活や将来の保障に深く関わっています。これから、給料から引かれる主なお金の種類とそのしくみについて、給料にかかる税金の観点からわかりやすく解説していきます。
所得税
所得税とは、個人が1年間に得た所得に対して国に納める税金のことです。特に会社員の場合、毎月の給料から天引きされる形で所得税が納められます。これが給料から引かれる税金の中心的な存在です。
所得税は「累進課税制度」が採用され、所得が多いほど税率が高くなる仕組みになっています。例えば、税率は5%から最大45%まで段階的に設定されています。
給料所得者にとっては、所得税は給料明細に毎月表示される身近な税金です。ただし、年末には「年末調整」で最終的な金額を調整し、払いすぎた場合は還付されることもあります。
住民税
住民税とは、都道府県や市区町村などの地方自治体に納める税金です。給料から引かれる税金の一部として毎月の給料から天引きされます。会社員であれば、前年の所得に基づいて金額が決まり、毎年6月から翌年5月までの12回に分けて支払う仕組みです。
住民税は「均等割」と「所得割」の2つで構成され、全国ほぼ共通で所得の約10%前後が課税されます。所得が増えれば、その分住民税も上がります。
この税金は、地域の公共サービス(ゴミ収集、教育、福祉など)を支える重要な財源です。つまり、住民税を通じて私たちは自分の住む地域に貢献していることになります。
社会保険料
社会保険料とは、医療や年金、雇用などの公的保険制度を支えるために、給料から差し引かれるお金のことです。所得税や住民税と並んで、給料から差し引かれる重要な項目の一つとして、大きな役割を担っています。
これらは会社と従業員がそれぞれ半分ずつ負担します。例えば、厚生年金の保険料率は約18%ですが、従業員の負担はその半分で約9%となります。社会保険料は「税金」ではありません。しかし、毎月の給料から自動的に天引きされるため、税金と同じように手取りに大きく影響します。
給料から引かれる税金はいくら?
毎月の給料から引かれているお金、実際にいくら税金として支払っているか把握していますか?この「見えにくい出費」の正体が、給料から差し引かれる税金や社会保険料です。給料から引かれる主な税金は以下のとおりです:
- 所得税:課税所得に応じて約5〜45%の累進課税が適用されます。会社員の場合は、源泉徴収により毎月天引きされます。
- 住民税:前年の所得に基づいて、約10%前後が課税されます。この税額は、毎年6月から翌年5月までの12回に分けて徴収されます。
- 社会保険料:健康保険、厚生年金、雇用保険などが含まれ、給料の約15%前後を占めることもあります。
例えば、月給が30万円の場合、税金や社会保険料として約4〜6万円が差し引かれます。その結果、手取りは24〜26万円程度になります。この金額は人によって異なりますが、「何が、どれだけ引かれているか」を知ることが、手取りを最大限に活かす第一歩です。
節税方法
給料から引かれる税金は、毎月の手取りに大きく影響します。ただし、正しい知識を持てば節税することが可能です。特に会社員が活用できるのが「所得控除」です。これは課税される所得を減らすことで、結果的に支払う税金を軽減できる仕組みです。
例えば、以下のような控除があります:
- 基礎控除(すべての納税者が対象)
- 配偶者控除・扶養控除(家族の状況によって変動)
- 社会保険料控除(健康保険・年金などの支払い分)
- 生命保険料控除・医療費控除 など
これらの詳細は、国税庁の公式サイト(所得控除の概要) にて確認できます。
こうした制度を上手に活用することで、合法的に給料から差し引かれる税金の負担を減らし、手取りを増やすことができます。まずは自分が対象になる控除を知ることから始めましょう。
給料から税金が引かれすぎ?
手取りが想像より少ないと感じた時は、税金や社会保険料が引かれすぎていることが原因かもしれません。所得税や住民税や社会保険料などが必要以上に差し引かれているケースもあります。
よくある原因には以下のようなものがあります:
- 扶養控除や配偶者控除の申告漏れ
- 年末調整の未提出や誤入力
- 副業による課税の重複
- 所得が急増したことによる税率アップ
| 【おすすめポイント】 もし「引かれすぎかも?」と思ったら、まずは給料明細をしっかり確認しましょう。年末調整や確定申告で払いすぎた税金が戻ってくることもあります。 |
年末調整と確定申告の違い
毎年の終わりや始まりに出てくる「年末調整」と「確定申告」です。どちらも給料にかかる税金の清算に関わる制度ですが、役割と手続きにははっきりとした違いがあります。
年末調整は、会社員が毎月支払ってきた所得税を会社がまとめて再計算し、払いすぎや不足を調整してくれる仕組みです。対象となるのは主に給料所得だけで、本人が手続きをする必要はありません。
一方、確定申告は、自分で1年間の所得を申告し、正しい税額を計算・納付または還付申請する制度です。副業収入がある人、医療費控除などを追加したい人、年末調整を受けていない人は確定申告が必要です。
つまり、年末調整は会社が行う給料所得に関する税金の調整であり、確定申告は自分自身で行う、より幅広い税金の申告手続きです。この違いを理解しておくことで、無駄な税金を防ぎ、手取りを最大化できます。
| 【免責事項】 この記事の内容は一般的な情報の解説を目的としたものであり、最新の法改正や個別の状況に応じたアドバイスを保証するものではありません。具体的な税金の計算や判断が必要な場合は、税務署や専門家にご相談ください。 |
まとめ
給料から引かれる税金とは、所得税・住民税などのことです。これに加えて社会保険料も義務的に差し引かれます。そのため、会社から提示される「額面」と、実際に受け取る「手取り」には大きな差があります。その原因の多くがこれらの税金や保険料にあります。
所得税は収入に応じた累進課税が適用され、住民税は前年の所得を基に算出されます。また、社会保険料も給料から一定の割合で自動的に天引きされます。このように、月給が30万円の場合でも、実際の手取りが24〜26万円程度になることは珍しくありません。
ただし、所得控除やふるさと納税を上手に活用すれば、給料から引かれる税金を合法的に減らすことも可能です。
よくある質問
回答: 額面は、会社が支払う総支給額のことです。一方、手取りは税金や社会保険料を差し引いた実際に受け取る金額です。
回答: 給料から引かれる税金には、主に「所得税」や「住民税」などが含まれます。なお、「社会保険料」は税金ではありませんが、同様に給料から自動的に差し引かれる点ではよく似ています。
回答: 所得税は、収入額に応じて約5〜45%の累進課税で計算されますが、控除額や扶養状況によっても異なります。